|社長いがみの日記

夢をみる

平日の私は、現場に入っています。
大工見習い中です。

先日、社会人一年生の頃の夢を見ました。
地元ゼネコンの現場監督の頃の私でした。

職人さんたちが帰った後、誰もいない現場で一人
掃除片付けをしながら、明日の段取りをしています。
それは静かな時間です。

しかし、昼間の現場は戦場です。
職人からバカにされ、悔しい思いをしています。
私は思います。
「僕ができるものならいくらでもやるのに。。。。。」

僕ができないから、頭を下げてお願いするしかありません。
私はちっとも悪くないのに。。。。。

「悔しいです。」

仕事のわかっていない、半人前の現場監督の指示には、職人は言うことを聞きません。
一刻も早く仕事を覚えて、首根っこつかんでやる。
夜の静かな現場で、私は一人闘志を燃やしていました。

そのころの、私は何もできませんでした。
仕事も知りません。何もわかりませんでした。
大きな声で挨拶することと、掃除しかできませんでした。

しかし、気持ちだけは、誰にも負けないと思っていました。
それほど、周りには、真剣な人はいないと思っていました。

当時の私は、
大きな気持ちと小さな技術でした。
だから、一生懸命しかできませんでした。

それが、仕事の経験を積んでいくとだんだんと技術が大きくなりました。
いつしか、気持ちが小さくなり、大きな技術が気持ちを追い越していきました。
経験で適当にこなせるようになりました。

今思います。
そうやって、落ちていくんだと。

先日みた若い頃の夢は、私を若い当時に連れていってくれました。

小さな技術しかないけれど、いっぱいの気持ちがあった頃の私です。
今の私は、50歳、大工見習い中です。
良くしたい気持ちは、現場の誰よりもあるけれど、現場の誰よりもできません。
大きな気持ちが小さな技術を上回っていた頃と同じです。

今日、私はそう感じることが出来て、本当に良かったと思います。
なぜならば、家づくりに対しての気持ちはちっとも小さくなっていないことが
再確認できたからです。
まだまだ、やることは山ほどある。
再スタートのゲートが開いたような気がしました。

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いがみ ひとし

小さくていい家。
不細工な家は建てたくないです。